伝統と革新との出会い

皆さん、おはようございます。

今週木曜日に参加した日経トップリーダーによる経営研究会が千葉の幕張で行われていたので参加しました。講師は、ご存知の方もいると思いますが、千葉県の鴨川のほうにある亀田病院の亀田隆明理事長です。今回のテーマが「世代を超えて続く経営」という中で、亀田病院も、1644(寛永21)年から医療を営み、創業100年を超える、現在で11代目の老舗企業だということで、理事長が講師をされておりました。

一番はじめは漢方などを販売していたようですが、江戸時代に6代目が長崎で蘭学を学び、南房総鴨川の地に戻り、蘭学塾に隣接する場所に診療所を作ったのが、臨床と教育という、現在まで続く事業の根幹ができたそうです。

亀田理事長のお話をお聞きする中で、伝統があればあるほど、または成功体験があればあるほど、組織の中でのイノベーション・革新は気付かないうちに起きにくくなるものですが、常に新しいことへ、うちの中から出てくるのはなぜですか?と質問したところ、伝統と革新、その革新を起こすことこそが、亀田家のDNAにあるというお話をされました。さらにいうならば、同じことをずっと続けていてもうまくいかなくなる。だからこそ、革新を起こして変えていく必要があるそうです。ただし、何でも考えもかえてしまう、やるのではなく、伝統として守ることも必要。それが臨床と教育。まさに伝統と革新の神髄を聞くことができたように思います。

先日、歌舞伎のギャラリーを見ていて、歌舞伎と同じだと思いました。歌舞伎という伝統文化は、型を含めて守るべきことは守り継承しつつ、その言葉の由来にもあるように、常に時代の先端にあり、新しいものを起こしていく。それこそが、歌舞伎の本質であると感じたのと、似たような感覚を覚えました。

だからこそ、両者ともに数百年もの間、人々に支持を受け続けることができるのだと。

口でいったり、このように書くことは簡単ですが、おそらくそのうちにあるものの葛藤は言葉で言い表せないほどではないかと思います。なぜなら人間は、今の中で安定しているならば、そこについ安住してしまうからです。自分の気付かないうちに周りの環境が変化し、それに追いついていけなくなるのに気付かないのが実状です。

だからこそ、そこに踏み込む勇気と、実際に踏み込み、行動し、結果を出すことは並大抵のことでない、強い意志を感じました。

何か伝統と革新に触れる中で、弊社は歴史も何もまだないですが、会社を少しでも永く継続させるヒントをここに1つみたように思います。