本との出会い(21世紀へ)

皆さん、おはようございます。

本日は本との出会いをご紹介させて頂こうと思います。本のタイトルは、「21世紀へ」 (盛田昭夫著/WAC 1800円+税)です。この本はソニーの創業者の一人であり、アップルのスティーブジョブズが尊敬していた経営者でもある、盛田昭夫氏が1960年代から90年代にかけて執筆した論文を集めたものです。この本自体は15年前に出版され、私も一度読んでそのまま本棚においておきましたが、たまたま先日本棚を片付けている中で、偶然本を見つけて久しぶりに読んでみたくなったものです。本との出会いは、常に本屋とは限らず、家の本棚でもあると思います。

内容は、盛田さんなりの視点でとらえた経営に対する考え方やあり方など原則のお話から、人材に関する考え方。1960年代の当時としては異例のニューヨーク市場への上場など、日本企業の国際化のさきがけとして、いかに日本と海外の企業経営における考え方や人事制度をとらえているのか。両方を知り尽くした人だからこそ、その視点がとても勉強になります。

国際化に遅れていた日本企業を含めて、日本への危機感がとても強く、この当時から約半世紀を経て日本人もようやくグローバル化の流れの中で本格的な国際化にいやおうなく取り組んできている時にあって、その半世紀前からそのことに警鐘をならしていたことが、およそ半世紀前に書かれたものとは思えないほどの内容がここにはあります。やはりその先見の明はすばらしいと思います。

一方で経営の原理原則や考え方は時代がかわっても変わらず、特にソニーに入社した社員には絶対に幸福になってほしいと書いているところはとても印象的です。盛田さん自身が書いていることは今も昔も基本的には経営における本質は同じであることをあらためて感じました。

ただ1つ残念なことは、私たちはこうした偉大な先人たちが残したメッセージを真摯に受け止め、いち早く、そのメッセージをもとに危機意識を持って行動することができなかったのか。そういう意味で、先人の残した書物には、これからの時代を生き抜くヒントが豊富にあり、たとえそれが数十年前に書かれたものであっても何かそこからヒントを見出すことはできると思いました。またこのブログにおいても、そうした良書との巡り合いがございましたら、ぜひご紹介をさせて頂きたいと思います。もしご興味がございましたら、アマゾンなどで中古品を購入できるようなので一読してみてはいかがでしょうか。